「プログラミング」と「プログラミング的思考」の違い
前述の有識者会議によると、小学校のプログラミング教育が目指すところは「プログラミング“を”学ぶこと」ではなく「プログラミング“で”学ぶこと」なのだそうです。
プログラミング“で”学ぶこと、すなわち「プログラミング思考を習得する」とはコンピュータに意図した処理を行わせる体験を通して、問題解決に必要な手順や考え方を学ぶことです。これはコンピュータの中だけに留まらず、今後グローバル社会で活躍する子供たちにとって実生活で必要な論理的思考や問題解決能力を養うことにつながります。プログラミング教育が目指すものは、今後ますます身近になっていくコンピュータに触れながら、実生活への活用法を考える力を身に付けることなのです。
- プログラミング以外でも実生活で問題解決能力が養われる
- 論理的に物事が考えられるようになる
- アイディアを形にする力がつく
- 自己表現力が身につく
- パソコンの知識がつく
- 将来の仕事や就職の幅が広がる
プログラミング的思考とは?
プログラミング学習によって得られる論理的な思考力とは、平たく言えば「ロジカルに考えることができる力」です。と言うのも、プログラミングとは「問題を解くための手順を定式化した形」に基づいて、問題を順序立ててひとつひとつ解決していくことで組まれていくもの。この「問題解決の計算方法に基づく」というやり方が、論理的な思考能力そのものなのです。
論理的な思考能力、つまり「ロジカルシンキング」は、プログラムを組むエンジニアやプログラマーに限らず、将来どのような仕事に就くにしても必要となる能力です。
必ずしもパソコンのキーボードを用いる必要はない
未就学児や小学校低学年の子どもたちにパソコンのキーボード操作が不可欠なプログラミングソフトを教えるのはまだ難しいかも知れませんね。しかし、パソコンを用いなくても「プログラミング的思考力」を学ぶ方法はたくさんあります。
たとえば「パズルゲーム」のようなツールなどがこれに当てはまります。パズルゲームはおもちゃのパズルのような簡単な操作で、ロボットを動かすための「コマンド」を並べるところから始まり、直進や回転、ジャンプ、ライト点灯など、様々なコマンドブロックを組み合わせてループさせるなど、最終的には高度なアルゴリズムまで学ぶことができるようになっています。