なぜ子供にプログラミング教育が必要なのか?
プログラミングを習わせる=プログラマーを育てるワケではない
IT化が更に進み産業構造の大変革を迎える将来を見据え、国を挙げてのIT教育が盛んになってきています。中でも注目を集めているのが、子供向けのプログラミング教育です。子供でも理解しやすいビジュアルプログラミング言語を開発してまで小学生にプログラミングを習わせる理由は、単にプログラマーを育てるのが目的ではないのです。
子供たちが社会に出る頃にはモノのインターネット化、つまりIoTが当たり前の時代になっているでしょう。そうなるとどんな職種、職制に就いたとしても、単にパソコンの操作ができるだけではコミュニケーションが成り立たなくなる可能性があります。つまりモノやサービスが出来上がるしくみとしてのプログラミングが、現場と管理職など様々なセクション間での共通言語として必要になるのです。小さいうちから英語を学習させるように、子供の頃からモノのしくみを学ぶことは決して早くはないでしょう。
そしてプログラミング教育の目的の一つには、思考力の向上があります。今までの学校教育では与えられた問題から1つしかない回答を導き出すというのが主流で、記憶力と教えられたことをいかに忠実に再現できるかが評価されてきました。しかし現在の日本では世界で活躍できる人材の条件として、自分の力で筋道立てて考えられる能力が求められています。プログラミングを学ぶことで得られるのは、目的や見通しに対してどういう順序でどう指示をしたら思うような結果になるかという体験です。この体験を通して、世界で戦える論理的思考を体得することができるのです。